最終更新日:2026.03.26

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高齢者の食事は「何をどのように食べるか」が大切です。噛む力や飲み込む力の低下、食欲不振、栄養不足など、年齢とともに食事の悩みは増えがちです。しかし、食材選びや調理法を工夫することで、安全においしく栄養を摂ることができます。

今回は、高齢者の食事の基本から必要な栄養、よくある悩みへの対処法、介護施設での取り組みまで分かりやすく解説します。

高齢者の食事の基本

高齢者が安全に、そして無理なく食事を楽しむためには、体の変化に合わせた工夫が欠かせません。ここでは、食材選びと調理方法の基本について分かりやすく解説します。

1. 食べやすい食材を選ぶ

高齢者の食事では、「やわらかい」だけでなく、水分量や口の中でのまとまりやすさも重要なポイントです。そのため、口当たりや喉ごしまで意識した食材選びが大切です。

食べやすい食材

噛みやすく、飲み込みやすい食材を積極的に取り入れましょう。一例は、以下の通りです。

分類

食材例

特徴・ポイント

肉類

ヒレ、ロース、ひき肉

やわらかい部位や、適度に脂身があるもの。ひき肉はなめらかでまとまりやすい。

魚介類

タラ、カレイなどの白身魚

身がやわらかく、ほぐれやすい。骨が少ない、または取り除きやすいもの。

野菜

キャベツ、白菜、カブ、冬瓜など

旬でやわらかいもの。加熱するとさらにやわらかくなる食材。

その他

豆腐、半熟卵、卵豆腐、ヨーグルト、ゼリー、プリン、おかゆ

口当たりがなめらかで、調理なしでも食べやすいものが多い。

なお、元気な介護グループでは、施設内の食事に白身魚、豆腐、卵、ひき肉など食べやすい食材を選ぶほか、根菜などはやわらかく調理するなど、食材選び・調理の工夫に力を入れています。

また、嚥下機能に合わせて、小松菜やしらす、大豆製品、あさりなど栄養価の高い食材も無理なく食べられる形で活用しています。

▼ご提供しているお食事の一例

施設で提供している食事例

※施設によって内容は異なります。

食べにくい食材

誤嚥や窒息のリスクが高まる食材には注意が必要です。一例は以下の通りです。

食べにくい理由

食材例

繊維が強く硬い

ゴボウ、レンコン、タケノコ、セロリ、イカ、タコ

水分が少なくパサつく

パン、カステラ、焼き魚、鶏ささみ

繊維が強く硬い食材は噛み切りにくいため、避けるか、煮込むなどの工夫が必要です。

また、水分が少なくパサつきやすい食材は、喉に詰まりやすくなります。こうした食材はそのまま出すのではなく、調理法を工夫することが重要です。

2. 食べやすく調理する

同じ食材でも、調理方法によって食べやすさは大きく変わります。ここでは、家庭でも実践できる工夫をご紹介します。

咀嚼しやすいように切る

食材は切り方ひとつでやわらかさが変わります。

繊維の向きに対して垂直に包丁を入れることで、噛み切りやすくなります。肉や魚の筋、野菜の表面には格子状に隠し包丁を入れると、さらにやわらかく仕上がります。

肉は包丁の背やミートハンマーでたたいて繊維を壊す方法も効果的です。トンカツなどは厚い一枚肉ではなく、薄切り肉を重ねて作ることで、見た目はそのままに噛み切りやすくなります。

焼く・炒めるよりも煮る・蒸す

焼く・炒める調理法は水分が抜けやすく、硬くなりがちです。

一方で、煮る・蒸す調理法を選ぶことで、しっとりやわらかく仕上がります。野菜はあらかじめ下茹でしてから味付けをすると、無理なく噛める状態になります。

とろみをつける

片栗粉やコーンスターチ、市販のとろみ調整食品を使って汁物や煮汁にとろみをつけると、食材がまとまりやすくなり、誤嚥予防に効果的です。

また、パサつきやすい魚や肉料理には「あん」をかけることで喉ごしが良くなり、安全に食べられます。

高齢者に必要なエネルギー量・栄養

年齢を重ねると、体の働きや食事量に少しずつ変化があらわれます。ここでは、目安となるエネルギー量と、特に気をつけたい栄養についてご紹介します。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」

1日当たりのエネルギー必要量

日々の活動量が低い~ふつう程度の場合の1日当たりのエネルギー必要量(推定エネルギー必要量)は、以下の通りです。

年齢

性別

エネルギー必要量 (kcal/日)

65~74歳

男性

2,100 ~ 2,350

 

女性

1,650 ~ 1,850

75歳以上

男性

1,850 ~ 2,250

 

女性

1,450 ~ 1,750

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」1-1 エネルギー

ただし、体格や生活スタイルによって必要量は異なります。最近「食事の量が減ってきた」「体重が落ちてきた」と感じている場合は、本人のエネルギーが不足している可能性もあります。

そのようなときは、無理に量を増やすのではなく、少ない量でも効率良くエネルギーを補う工夫がおすすめです。たとえば、サラダにマヨネーズやドレッシングを少し加える、おかゆにオリーブオイルを数滴垂らすなど、日常の食事に取り入れやすい方法があります。

積極的に摂りたい栄養

年齢とともに、あっさりした食事や簡単なメニューを好まれる方も多くなります。その結果、知らず知らずのうちに不足しやすい栄養素があります。

タンパク質

筋肉量を維持するには、タンパク質が重要です。65歳以上のタンパク質摂取の推定平均必要量は、男性で50g、女性で40gです。ともに、18歳以降から同じ量が必要とされています。
出典:厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」1-2 たんぱく質」

不足すると筋肉量が減り、疲れやすさや転びやすさにつながることがあります。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などを、できる範囲で毎日の食事に取り入れてみましょう。

カルシウム

カルシウムは骨の健康を支える大切な栄養素です。不足すると骨が弱くなるおそれがあります。牛乳やヨーグルト、小魚、豆腐などを意識して召し上がることが大切です。

食物繊維

やわらかいもの中心の食事になると、食物繊維が不足しがちです。野菜をやわらかく煮たり、ポタージュにしたりすることで、無理なく摂ることができます。お腹の調子を整えるためにも大切な栄養素です。

亜鉛

亜鉛が不足すると、食べ物の味を感じにくくなることがあります。食事をおいしく楽しむためにも、牡蠣やうなぎ、ごま、卵黄などを上手に取り入れてみてください。

摂りすぎに気を付けたい栄養

体に良いものを取り入れると同時に、摂りすぎに注意したい栄養もあります。

塩分

年齢とともに味を感じる力が弱まることがあり、濃い味付けを好むようになる場合があります。しかし、塩分の摂りすぎは高血圧や心臓・血管の病気の原因となることがあるため、摂りすぎには注意しましょう。

元気な介護グループでは、塩分を控えながらもご満足いただけるよう、だしや季節の食材を活かしたお食事を提供しています。また、揚げ物は回数を調整し、脂質の摂りすぎにも配慮しています。

▼ご提供しているお食事の一例

施設で提供している食事例②

※施設によって内容は異なります。

高齢者の食事によくあるお悩み・解決策

年齢を重ねると、これまで通りに食事が進まなくなることがあります。ここでは、よくあるお悩みと、その対処法について分かりやすくご紹介いたします。

食べてくれない・食欲がない

「食欲がわかない」「あまり食べられない」という背景には、味を感じにくくなっていることがあります。その場合は、だしや香味野菜を使って香りを引き立てたり、彩りを工夫したりすると、食欲が刺激されやすくなります。

また、入れ歯の不具合や口腔内のトラブルで噛みにくくなっている可能性もあります。気になる場合は、歯科での調整や治療を検討することが大切です。

元気な介護グループでは、このようなお食事の悩みに対して、香りや彩りの工夫に加え、少量を複数回に分けて提供する方法や、食前の軽い体操、口腔ケアの促進などにも取り組んでいます。

飲み込めない・むせる

食事中にむせることが増えた場合、飲み込む力の低下が考えられます。むせやすい食品は避け、やわらかく、まとまりやすい食事にすることが重要です。

症状が続く場合は、医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。

なお、元気な介護グループでは、とろみをつける工夫や一口大・刻み食の活用、嚥下体操の実施などで、安全にお食事を楽しんでいただけるよう支援しています。

「元気な介護グループ」の食事の取り組み

元気な介護グループでは、ご入居者様にとって「食べること」が日々の大きな楽しみであり、健康を支える大切な時間であると考えています。そのため、安全性と栄養面への配慮はもちろん、心から「おいしい」と感じていただける食事の提供に誠実に取り組んでいます。

主な取り組みを紹介します。

1. 栄養士による食事量・栄養バランスの管理

当グループで提供しているお食事は、委託先企業の管理栄養士・栄養士の監修のおかずを使用したメニューです。専門職の知見を活かし、栄養バランスに配慮した内容となっています。

また、日々の体重や食事摂取量、水分量を継続的に記録し、小さな変化も見逃さない体制を整えています。食事量の低下や体重減少など、低栄養のリスクが見られた場合には、早めに情報共有を行い、必要な対応を検討します。

さらに、それぞれの方の状態に応じて、高たんぱくメニューや栄養補助食品を取り入れるなど、個別性を大切にした対応を行っています。

2. 嚥下状態に応じた6段階の調整

飲み込む力には個人差があるため、常食から一口大、刻み、粗ミキサー、ミキサー、ゼリー食まで、6段階での調整に対応しています。

とろみの濃度も画一的ではなく、ご本人の嚥下状態に合わせて個別に調整しています。

3. 食事介助技術の指導

安全な食事には、適切な介助技術が欠かせません。当グループでは、職員に対して食事介助技術の指導・育成を行っています。

基本は30度以上の座位を保ち、顎を軽く引き、足の裏がしっかり床につく状態を整えることです。一口量は小さめにし、飲み込みを確認してから次の一口へ進みます。

さらに、落ち着いた環境づくりや安心感のある声かけも大切にしています。食前の嚥下体操や、食後30分の座位保持など、誤嚥予防にも継続して取り組んでいます。

4. 四季おりおりのイベント

当社では、イベント食にも力を入れています。社内には「イベントコンテスト」という制度があり、期初の会議で表彰式を行うなど、全社的に注力している分野です。

春のお花見やひな祭り、ハロウィンなど、季節の行事に合わせた特別なお食事を企画しています。これまでには、ブリやマグロの解体ショーを実施したこともあります。

ご入居者様にとって「食べること」が心躍る時間であり続けるように。四季の移ろいを感じていただける食事を、これからも大切にしてまいります。

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