最終更新日:2026.05.28

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「最近、親がよくつまずくようになった」と感じていませんか。転倒は骨折や寝たきりにつながる深刻なリスクがある一方、日頃のちょっとした工夫でリスクを大きく下げることができます。

今回は、高齢者の転倒が増える主な原因と、ご家族でも始めやすい予防策をわかりやすく解説します。

高齢者の転倒・つまずきが増えるのはなぜ?

高齢になるにつれて転倒が増えるのは、加齢による身体の変化が影響しています。原因を知ることで、取り組むべき予防策が見えてきます。

筋力の低下

加齢によって下半身を中心に筋力が低下し、わずかな段差でも足が上がりにくくなります。

筋肉量の減少は40代ごろから始まり、70代以降に急速に進むとされています。足腰の力が落ちると安定性が失われ、ちょっとした衝撃でもバランスを崩しやすくなるため、筋力を維持することが転倒予防のポイントです。

バランス能力の低下

加齢により平衡感覚や運動感覚が低下し、姿勢を保つのが難しくなります。猫背など姿勢の乱れも、バランスを不安定にする要因のひとつです。

また、反射神経が鈍くなると、よろけたときに素早く対応できなくなります。「少しふらついただけ」でも転倒につながりやすいため、バランス能力を保つことが大切です。

認知機能の衰え

認知機能が低下すると、段差や障害物への注意が散漫になりがちです。

「歩きながら話す」など、複数のことに同時に注意を向ける力(デュアルタスク能力)が落ちることも転倒につながります。認知症の症状として歩行が不安定になるケースも多く、早めのサポートが大切です。

内的な要因(病気・薬の影響)

脳血管疾患・骨粗しょう症・白内障などの病気も、転倒リスクを高めます。

特に、睡眠薬・降圧剤・抗不安薬など複数の薬を服用している場合(ポリファーマシー)、ふらつきや立ちくらみが起こりやすくなります。服薬状況や栄養状態をかかりつけ医と確認することが大切です。

転倒しやすい生活環境

身体の変化だけでなく、生活環境も転倒リスクに深く関わっています。

室内の段差・滑りやすい床・つまずきやすい敷物・電気コード・暗い照明などが主な危険要因です。特に浴室・トイレ・玄関・廊下・階段は転倒事故が起きやすい場所として知られており、住環境の見直しも、転倒予防の重要なポイントです。

高齢者が転倒したときのリスク

転倒は、高齢者にとって命に関わる重大な事故につながることがあります。

厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、高齢者が介護が必要になった原因の13.9%が「骨折・転倒」で、全体の3位です。(1位:認知症、2位:脳血管疾患)

特に太ももの付け根(大腿骨頸部)の骨折は歩行困難につながる深刻なケガで、安静期間中に筋力がさらに衰え「骨折→寝たきり→認知症進行」という悪循環に陥るケースも少なくありません。

転倒への恐怖から外出や活動が減り、心身機能が低下するリスクもあります。若い世代と比べて回復に時間がかかるため、何より予防が大切です。

出典:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況

高齢者が転倒してしまったときの対応

転倒は予防が大切ですが、万が一転倒してしまったときに適切に対応することも同様に重要です。慌てず落ち着いて行動するために、基本的な流れを知っておきましょう。

まず落ち着いて状態を確認する

転倒直後は、焦って起こそうとせず、まず声をかけて意識があるかを確認しましょう。

「どこが痛い?」「吐き気はある?」と穏やかに声をかけながら、意識・呼吸・出血の有無を確認しましょう。頭や腰・足などを打っている場合は無理に動かさず、そのままの姿勢で待ちます。

こんな症状があればすぐに受診を

「自分で起き上がれたから大丈夫」と判断するのは危険です。高齢者の転倒では、自覚症状がなくても骨折しているケースがあります。

その場では問題なく見えても、頭部外傷後は遅れて症状が出ることがあります。吐き気・ろれつが回らない・歩き方がおかしいなど気になる症状があれば、すぐに受診してください。判断に迷う場合は、救急安心センター「#7119」に相談するのも良いでしょう。

高齢者の転倒を防ぐ予防策

転倒は「仕方のないもの」ではなく、日常のちょっとした工夫で大幅にリスクを下げられます。ご家族と一緒に取り組める予防策を4つ紹介します。

筋力・バランス能力のトレーニング

転倒予防の基本は、筋力とバランス感覚を日頃から維持することです。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者について、健康的な生活のために毎日40分以上(6,000歩以上)の身体活動を行うことが推奨されています。無理のない運動量から始めて、長く続けることが一番の近道です。

出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023

また、スクワットやかかと上げ(ヒールレイズ)など下半身を中心とした運動や、片足立ち・太極拳などのバランス運動を組み合わせると効果的です。「ロコトレ(ロコモーショントレーニング)」は転倒予防に特化したプログラムで、デイサービスでも機能訓練・歩行訓練として実施されています。

▼元気な介護グループのデイサービスでの訓練の様子

バランスの良い食事を摂る

骨と筋肉を守る食事も、転倒予防に欠かせない役割を果たします。

骨を強くするカルシウム(牛乳・小魚・大豆製品など)を積極的に取り、吸収を助けるビタミンD(魚類・きのこ類)も意識しましょう。筋肉の材料となるたんぱく質(肉・魚・卵・大豆)を補えば、加齢による筋肉量・筋力の低下(サルコペニアの進行)を穏やかにできます。

それぞれの摂取量の目安は以下の通りです。

▼カルシウム ※推奨量
50歳以上:男性750mg、女性650mg(女性は75歳以上で600mg)

▼ビタミンD ※目安量
50歳以上:男性9.0μg、女性9.0μg

▼たんぱく質 ※推奨量
50歳以上:男性65g、女性50g(男性は65歳以上で60g)

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

室内の転倒しやすい場所のチェック・整理

住環境を整えるだけで、転倒リスクをぐっと下げられます。

浴室・トイレ・玄関・廊下・階段など転倒が起きやすい場所に手すりを設置し、床の段差をなくして滑り止めマットを活用しましょう。電気コードなど床の障害物を片付け、夜間でも足元が見えるよう照明を明るくしておくことも大切です。

要介護・要支援の認定を受けている方は、介護保険を使った住宅改修(手すりの取り付け・段差解消など)の補助が受けられます。支給限度基準額20万円の範囲内で、原則1割の自己負担で住宅改修ができますので、ぜひケアマネジャーに相談してみましょう。

靴や杖を見直す

普段履いている靴や歩行補助具も、転倒予防の観点から見直してみましょう。

足に合ったサイズの靴を選び、かかとから地面に着く歩き方を意識することが基本です。滑り止め付き・かかとがしっかりした靴や室内履きへの切り替えもおすすめです。必要に応じて杖を活用するとバランスを補えます。

杖の適切な長さは、立った状態で手を身体の横に下ろしたとき、手首の骨(橈骨茎状突起)の高さが目安です。T字杖のほか安定性の高い4点杖や歩行器もあります。選び方に迷う場合は、理学療法士や作業療法士に相談してみてください。

高齢のご家族の生活サポートなら「元気な介護グループ」へ

自宅での転倒予防に取り組んでいても、「これだけでは心配」と感じる場面もあるかもしれません。そんなときは、専門家のサポートを活用することも大切な選択肢です。

元気な介護グループ では、介護サービスや老人ホーム紹介など幅広いサービスをご提供しています。 ケアプラン作成・居宅介護支援・介護予防支援、 福祉用具のレンタル・購入にも対応していますので、 現状について相談したい方も、今後の生活全体を一緒に考えたい方も、 ぜひお気軽にご連絡ください。

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